舘野鴻さん「宮沢賢治の鳥」講演会を聴きに行った
5月30日に、ジュンク堂書店池袋本店で開催された舘野鴻さんの講演会に参加した。
「宮沢賢治の鳥」の創作秘話や実は宮沢賢治が嫌いなこと、鳥を描くのが苦手だったこと、
仕事の話、他の作家の話など、1時間半だったけれど盛りだくさんの内容で楽しかった!
舘野さんが「賢治は何かをつくってるわけじゃない。見たものをキャッチしてそのまま落としてるだけ。だから刺さる。」
と言っていて【心象スケッチ】ってそういうものか、なるほどと納得した。
と言っていて【心象スケッチ】ってそういうものか、なるほどと納得した。
実際に岩手県に赴き賢治が歩いた道を辿る旅をして、背景は当時の地形図から起こした、
図もない場合は論文や文献から起こしたと聴いて、だからあんなに説得力のある絵なんだと分かった。
ネットや本で図版を見つけて参考に描くこともできるけれど、
実際に自分の体を通ったものじゃないと出せないと言っていて、そこに痺れる憧れる。
優れた画家は徹底的な現実主義者で研究者だと思ってるんだけど、正に。
「挿絵を描く時に、言葉が美しすぎるとワザワザ絵をつける必要ないと思うけれど、
いわさきちひろや他の画家の挿絵を見て、好きなように描きゃいいんだと思った」
と言っていたのは、なんだか救われた気がした笑。
どれだけ物語に寄れるか、または離れるかが大事、という考え方もとても参考になる。
舘野さんはものすごく早口で話題がドンドン飛んで、ジョークも交えつつのお話で楽しかった。
舘野さんはものすごく早口で話題がドンドン飛んで、ジョークも交えつつのお話で楽しかった。
すごく情熱的でいきものと描くことを心から愛していて、また、先人達に対するリスペクトを持っていて、
「この人のこういうところが好き!」と、はっきり言える大人っていいなぁ〜と思った。
八階では「宮沢賢治の鳥」の原画が展示されていて、印刷物と原画を見比べることができた。
原画は息を呑む美しさ。どんなに近づいて見ても、どうやって描いているのか分からない!
私が同じ鳥を見ても、舘野さんが見ているようには見えない。
この人だけが見ることができる「特別な目」があるんだろう。
先日は「しでむし」にサインをいただいて、今回もまた「宮沢賢治の鳥」にサインをもらった。
「つちはんみょう」の最初の見開きのポストカードを購入。もう一枚買えば良かった!
リアルイラストの中に物語がたくさん詰まってる。いきものの暮らしって、壮大な物語なんだなぁ〜!