谷川俊太郎さんの講演
土曜日に谷川俊太郎さんの講演を聴きに行ってきた。 参加者からの質問に答える形で進行していく。 ※話し言葉だけど、自分のメモと記憶を辿っているので、語尾は若干違う。 ー生活リズムについて 「ご飯は一日一食。睡眠は6~7時間くらい。昔はもっと寝ていたんだけど。最近寝るのが楽しい。寝るの大好き。もしかしたら僕は眠るように死ねるかもしれない。ライフスタイルは自分に合ったものを実行すればいい。ご飯が一食でも、肉食でも、その人の体に合っていれば健康でいられるよ。」 ー制作は自分にとって足し算ですか、引き算ですか? 「そりゃ足し算でしょ。ギャラもらえるんだから。いい詩が書けたらギャラがなくても足し算かな。」 ー何故今まで宇野亜喜良さんと一緒に作品をつくったことがなかったのですか? 「宇野さんは寺山のものだと思ってたから。触れちゃいけない領域の人だと思ってた。アンソロジー的な作品で宇野さんの絵に詩を付けたことはあるけど、一冊の本を作ったのは今回が初めてだね。」 ー伝えたいメッセージは何ですか? 「ないです。メッセージなんてないよ。伝えたいことがあったら、それはそのまま言うよ。僕は喜怒哀楽を詩で表現したことはないよ。感情を詩で表現しない。詩はメッセージじゃなくて、民芸品みたいなものだと思って欲しいんだよね。テーブルの上に素敵な湯のみでお茶出されたら素敵でしょ。その湯のみみたいなものだよ。」 ーどういう時に詩を書きたくなりますか? 「書きたい時なんてない。注文があるから書く。注文がなければ書かないよ。」 ー絵本の作り方について 「まず映画のシナリオを作るように、お話を考える。そのお話に絵描きが絵を描く。その絵に詩を付ける。絵が素晴らしければ、詩は付けない。余白はきれいにしたい。見た目にも、感じた時に余韻に浸れるようにも。ことばと絵の関係を大事にしたい。ことばは自分の表現ではなく、みんなとの共有物だから。」 ー詩を書く上で、気をつけていることは? 「漢字、抽象的な表現は避ける。」 ー好きな言葉は? 「『好き』って言葉が好き。」 ー過去作った中で一番お気に入りの絵本は? 「『コップ』という写真絵本。この時の福音館書店の編集者たちは、面白いものをつくってやるぞ!という熱意が凄まじかった。一番大変だったのは『ピーナッツ』。膨大な量...