舘野スケッチラボ 続けて参加
5月から通っている絵本作家・舘野鴻先生の舘野スケッチラボ。いつも見たり話を聞いたりばかりであまり手を動かしてないので、実は一枚も絵を完成させたことがない。先日はミドリカミキリを描いた。
ミドリカミキリは構造色の昆虫なので、光の加減によって見える色が全く変化する。自分で光源を設定して描くことすら覚束ないのに、変化する色の中から、色を見つけることが難しい。でも「じっと観察して意識的に色を探せば見えてくるから」と先生は言う。たぶんこれかなぁ?と思いながら色を乗せてみた。
なんと舘野先生から普段使用している筆を一本譲っていただいた。筆を何種類も使うことなく、この一本のみで描いているとのこと!しかし、先生と同じ筆を使ったからといって同じように描けるわけもなく…。胸部と腹部左側のキワ辺りは先生に実際に説明を受けながら描いてもらった。
その後自分でも手を加え、ある程度着色した段階で、この先どう手を加えていけばいいのか分からず相談したところ、では実際に描いてみましょう、と上翅部分を舘野先生に加筆してもらった。先生の筆さばきは魔法のようだった。
ここで愚痴るのもナンだけど…高校生の頃に通っていた画塾ではいつも、色がおかしい、濁ってる、なんでこんな和菓子みたいな色ばかり使うんだ?と、言われ続けたまま克服できず卒業してしまったので、それからずっと『色彩』に纏わる全てのことに強い苦手意識を抱いてしまった。どうせ自分にはセンスがないからと、克服する努力もせず自分の中で終わらせてたんだけど、「まずは試しに手を動かして描いてみましょう」と、気軽に声をかけてもらえたので、奥底に隠していた「実はずっと描いてみたかったんだ…」という気持ちがムクムクと溢れてきた。本当に好きだったり、ナニクソ!という反骨精神があれば、人に左右されず自分なりの絵が描けたのかもしれないけれど、自分には向いてないと思い込んで、むしろ興味ない素振りで逆張りし続けていたのかもしれない…。